30代の独身サラリーマンです。
私が初めて借金をしたのは、20代前半、社会人一年目の時でした。
それまでずっと実家暮らしをしていたのですが、就職して半年ほど経った頃に、一人暮らしをしたいと考えるようになりました。
職場が実家から1時間半ほど掛かる場所で、都心を通ることもあって、毎日の通勤ラッシュも辛くなっていました。
それにやっぱり、社会人になると少しお金に余裕もできてくるし、自分の自由な空間を持ちたい!という思いもありました。
友達や彼女を自分の部屋に呼びたいっていうのも大きかったですね。
それで早速、ネットで物件情報を調べてみたところ、会社の近くなら、自分の給料でも十分生活できそうだということが分かりました。
調べだすと、夢は膨らむもので、早く引っ越したい!一人暮らししたい!という思いが大きくなり、不動産屋さんに行って、内見したその日のうちに、入居の申込みをしていました。
親には事後報告でしたが、「社会人になったんだし、自分のお金でやっていけるなら」ということで、親も快く許してくれました。
しかし、ここで誤算があったのです。
「とりあえず」で借りたカードローン
それまで一人暮らしの経験がなかった私は、初期費用にどのくらい掛かるのか、よく分かっていませんでした。
「給料があるからまあなんとかなるだろう」という適当な考えで申込みをし、いざ契約。
その時になって初めて、仲介手数料や敷金礼金、前払い家賃、引越費用などで数十万円掛かることを知ったのでした。
さらに、初めての一人暮らしということで、もちろん最低限の家電もありません。
冷蔵庫に洗濯機、電子レンジなどをそろえると、やはりそれだけで10万円以上。
結局、初期費用で合計50万円ほど掛かってしまいました。
しかも、その時はすでに夏のボーナスは使い切っていたため、手持ちがほとんどなかったのです。
「やばい」と思いましたが、今更に親に頭を下げるのも格好悪いし、そんなことをすれば、「本当に大丈夫なのか」と、一人暮らしに反対される可能性もあると思いました。
でも、消費者金融はやばいって聞くし、どうすればいいんだろう…。
そこでネットで、手軽に借りられるものはないかと調べてみると、「銀行系カードローンなら安心」という記事がいくつも出てきました。
しかも簡単に契約できるといいます。
それならと、早速メガバンクのカードローンに申込みました。
審査はすぐに終わり、無事に借り入れできることになり、私はその場で50万円を借り入れたのでした。
膨れ上がるローン
「月々の返済額は少なくていいみたいだし、毎月返していけば問題ないだろう」そう思っていました。
そして実際、月々数万円の返済をして、順調に思えていました。
しかし、です。
一人暮らしを始めて生活費を全て自分でまかなうようになると、徐々に月々のやりくりが大変になっていきました。
さらに、たまの休みには旅行や買い物などをするうち、出費がかさみ、徐々に返済が苦しくなっていったのです。
そうして、ある時、返済どころか、さらにお金が必要な自体が起きてしまったのです。
ちょうど、友人の結婚ラッシュがあって、ご祝儀貧乏になっていたのです。
私は焦りましたが、いいことを思いつきました。
「返済分も含めて借り入れて、そこから最低額を返済すればいいんだ」と。
つまり、借金で借金を返すことを考え付いたのです。
今思うと、なんてバカだったのかと思いますが、当時はいいアイディアだと思ったものです。
早速カードローンを追加で借り入れて、その中から今月分を返済するという行動に出ました。
そんなことを数回繰り返す頃には、カードローンは、まるで「自分の銀行口座」のように思えてきたのです。
「足りなくなったら、あの口座(実際はカードローン)から下ろせばいいや」そう考えるようになっていました。
借金完済までの道のり
そんなことをしていれば、当然徐々にローンは増えていきます。
気づいたときには100万円を超えていました。
桁が変わったのを見て、さすがに私も冷や汗が出るのを感じました。
「これ、返せるのか…?」
しかも、利子がどんどん増えていて、返しても返しても、元本が減らなくなっていました。
「これは本当にやばいかもしれない…」
そこから、家計を見直して、計画的に返済することを考えました。
しかし、やっぱり、利子のつくスピードが速すぎるのです。
年利15%ほどの高金利ですから当たり前ですよね。
そしてようやく、親に助けを求めたのでした。
「借金が返せないから、金を貸してくれ」
その一言を言うのにかなりの勇気が要りました。
親は呆れていましたが、事情を説明すると、変なことに使っていたわけではないのだと安心してくれたようでした。
そして私は念書を自分で作り、親から100万円近い借金をしたのでした。
それからは、毎月定額を親に返済し、ボーナス時には繰上げをする形で、2年ほどで完済しました。
利子がないということが、どれだけ大きなことなのか、いや、利子がどれほど怖いものなのか、身にしみて感じました。
利子がないだけで、返済が非常に楽になったのです。
まとめ
そういうわけで、私の20代は借金まみれで終わってしまいました。
今思うと、最初に親に頭を下げておけばよかった、むしろ、もっと計画的に一人暮らしを考えるべきだった、と心底思います。
カードローンは手軽に手を出せてしまいますが、年利が高く、危険な借金です。
カードのリボ払いなども同じです。
若い人が同じような借金を抱えなければ良いと思い、これを書きました。