実際あの頃も私は、無鉄砲でどう仕様もない20代でした。
以前1回だけ行った海外、どうしてももう1度と思い込んでいたのです。
でもお金がない、前回の旅行でバイトで貯めた貯金は使い切ってしまっていました。
一人っ子の私でしたし、親としては危険なことはさせたくない、してほしくないと思うのはまあ当然です。
なのでまた海外に行きたいから貸してくれというのは、実はそれ自体がかなりの冒険だったのです。
海外旅行のために貸してくれと親に泣きつく
女1人での海外は、それなりのホテルに泊まらなければ危険ですし、また移動などに関してもそれなりに気をつけねばなりません。
多少の金額では、行けないことは明らかだったのです。
でも行きたい、海外旅行の勘と、怖いもの知らずの無鉄砲さがあるうちにもう1度、と親に借金を申し込んだのです。
実は旅行と言っても、1週間程度ではなく1ヶ月はと思っていましたので、最低でも交通費を混ぜて50万以上は必要でした。
飛行機はできるだけ格安チケットで、ホテルはまあ安全地帯にあるということは譲れないので、食費などギリギリで予算を立てたのです。
それでも50万、親がいい顔をするわけはありません。
でも借りたお金は必ず返すからと確約して、何とか借りることができました。
実はこの時、海外旅行が趣味という知人が、借金は親にすることが最も安全だと教えてくれたのです。
そして親だからとその借金を曖昧にしてはいけない、何故なら返済をきちんとすれば、また借りることが出来るからと、自分の経験も交えて、入れ知恵してくれていたのです。
アドバイスどおりにきちんとコツコツと
さて楽しい1ヶ月を過ごして、帰国した私の最初にしたことは、バイト探しです。
1ヶ月日本を離れていたので、もちろん以前の仕事は1回切らなくてはなりませんでした。
幸いなことに、丁度そのバイト先が人手不足だということで、経験者の私はすぐに再度雇ってもらえたのです。
何故バイトかといえば当然、また海外へと言う気持ちがあったからです。
普通の仕事、定職についたらまず無理なことですよね。
1ヶ月以上の休暇などというものは、取れるはずもありません。
また定職と違ってバイトなら、空きがあったらせっせとシフトに入れてもらえば、お金も稼ぎやすいのです。
借金返済と、次の旅行のための貯金と、もちろんある程度のお小遣い、これをせっせと貯めたものです。
目的があれば、働くのも苦になりません。
まあ実家があって、寝るところと食べるところに困らないからできたことですね。
この時の返済額は、自分でしっかりと決めました。
確か1ヶ月に5万円を何とか返済と決めたと思います。
1ヶ月で5万円なら1年で60万円です。
つまり、何とか今の借金を1年で返済しきれるということです。
しかも一定金額を毎月返済していれば、信用も生まれます。
収入が少ない月でも、小遣いや貯金の分を削って、返済金額は何とかキープしたものです。
この、借金返済の金額をきちんと決めて、何が何でもそれを実行するということ、これが再度の借金するための信用につながるんですね。
当時はまだ、消費者金融等というものは、いわゆる普通の人が出入りするところではなかったのですが、今そうしたところで借りても、同じことだと思います。
とにかく少額でもいいいから、毎月返済の心意気を見せる、これ大事ですよ。
借金をして私はこれを得た
借金して、でもそれを返済することで、親のこちらに対する信用度は増加しました。
親と子ではなく、人間同士の貸す借りるという関係に、信用度が生まれたと言っていいでしょう。
そのためもあって、その後何年も親に借金を申し込み、それを返済するというループにはまり込みました。
私にとってはありがたいことでしたが、きっと親としてはうまく操作された感が拭えなかったでしょうね。
またもう1つ、借金をして返済するという、それも、きっちりと返済するという習慣をつけたおかげで、お金の管理がうまくなりました。
給料が入っても何となく使うのではなく、あれとこれとと必要なものを差し引いて、残りを使うという習慣ができたのです。
これは実際、年取ってからのお金の管理にも、随分役立ってくれたものです。
借金というものも、自分の糧に出来るということがわかっただけでも、収穫と言っていいと思います。
まあ海外に行き過ぎて、日本の年金を払い忘れるというマイナス面もありましたが、それには目をつぶっておきましたね。
まとめとして
借金というもの、返すものとしっかりと理解できていれば、どうしてもという時には借りることも計算のうちにすると良いのではと思います。
しかし返済のあてがないのに借りるということは、何のメリットも生み出せません。
あの当時の私の場合、若かったこともあっていくらでも仕事も見つけることができました。
返済の当ても、あったわけです。
返済のあてのない借金は、自分を滅ぼすだけということは、借りる前にもう1度思い出すことをおすすめします。